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最高裁判所第二小法廷 昭和43年(オ)1130号 判決 1969年1月31日

上告人 小林勇(仮名)

被上告人 藤橋正子(仮名)

主文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人の負担とする。

理由

上告代理人檜山雄護の上告理由第一、二点について。

離婚届書に届出人の氏名が代書された場合に、戸籍法施行規則第六二条第二項所定の事由の記載を欠いていても、その届出が受理された以上、その離婚は有効に成立するものと解するのが相当である(当裁判所第一小法廷判決、昭和二九年(オ)第三五六号、同三一年七月一九日民集一〇巻七号九〇八頁参照)。

原判決(その引用する第一審判決を含む。以下同じ。)の判示するところによると、被上告人(被告)は、上告人との取極めにもとづき、甲第三号証(離婚届)の夫の署名押印欄に上告人の氏名を記載し、右上告人の印章を押捺し、妻の署名押印欄に自己の氏名を記載押印などをし、その他の必要事項を記載して、離婚届を作成し、昭和三九年五月二八日右離婚届を茅ヶ崎市長に提出し受理されたというのであり、右判示事実は論旨第三点において判示するとおりこれを是認することができるのであつて、右事実によると、本件離婚届を無効ということはできない。

原判決には、結局、所論のような違法はない。

同第三点について。

原判決挙示の証拠によれば、所論の点に関する原判決の認定した事実を肯認することができる。

原判決には、所論のような違法はなく、所論は、結局、原審の専権に属する証拠の取捨・判断、事実の認定を非難するに帰し、採用しがたい。

よつて、民訴法四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のとおり判決する。

(裁判長裁判官 草鹿浅之介 裁判官 城戸芳彦 裁判官 色川幸太郎 裁判官 村上朝一)

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